未知との遭遇――太陽系外惑星「EXO PLANET」からやって来た異星人たちの実態

EXO PLANETの住人

2012年4月8日といえば何の日かご存知だろうか。釈迦の誕生日、イエス・キリストの復活祭、そして地球に12人の宇宙人が舞い降りた記念すべき1日だ!

時を遡ること約半年前――。

昨年末から、一部情報通の間でまことしやかに囁かれていた新たなUMA(未確認生命体)の存在。興味を示す者、無関心を保つ者、怖いもの見たさで覗きこむ者…我々地球人の反応もさまざまだったが、私の場合は、初期の頃から知的好奇心全開でUMAの生態系調査に取り組んでいた。理由は明快、宇宙ステーション勤務のN◯SA隊員から「今度俺らの惑星(地球)に上陸するUMA知ってるか?よりどりみどりの美形が揃い踏みらしいぜ!」という極秘情報を入手していたからである。

そんな彼らが集団で地球に生息を始めていることが明らかになりつつあった頃、1人目のUMAの姿が偶然カメラに捉えられ、その動画がYouTubeにアップロードされた。これほどまでに鮮明な撮影に成功しているのは全世界初ではなかろうか。

コメント欄は既に、地球人の驚きと感嘆のリアクションで溢れている。「OMG!」と腰を抜かす者、「Dancing machine」と親しみやすいあだ名を付ける者…私たちは皆、生まれて初めて遊園地を訪れた少女のように興奮し、胸躍らせていた。まさしく未知との遭遇であった。

動画の撮影者によれば、このUMAが属する惑星は「EXO PLANET」と呼ばれているのだそうだ(以下「EXO」と示す)。人口はわずか12人で、性別は全員雄。そして彼らには、歌・ダンス・ラップ・演技といった文化活動を好む性質がある。当時判明していたことといえば、たったのこの程度だ。

映画「E.T.」のような展開を夢想してわくわくしていると、次なる動画が姿を現した。

1つ目の動画で見事な舞いを披露した「KAI」の他にもう1人、「LUHAN」と名乗るUMAの存在が明かされたのだ。謎の赤い糸に囲われた部屋の中(宇宙船内部?)で、2人が黙々と踊り続けるだけの59秒間。このダンスは仲間を呼ぶ儀式的行動なのだろうか。彼らの真の目的の解明には、さらなる観察期間を要するようだ。

そして続く3体目。ダース・ベイダーの末裔としか思えぬほどの圧倒的な暗黒オーラの持ち主「TAO」だ。万有引力の法則に反するかのような敏捷な動きが見て取れる。彼の強大なるフォースを持ってすれば、米国が誇る軍事施設すらも陥落間違いなしだろう。くれぐれも「敵」と見なされてしまわぬよう、EXOとは円満な協力関係を築いていく必要がある。

これらの異星人について知識を蓄えた私は、自身のUMA研究論文に以下の一節を付け加えた。

「美男ですね」

To be continued……(※この文章はフィクションです)